
人事担当者のための派遣入門
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派遣スタッフをめぐる諸問題
世界的経済危機に陥ってからというもの、日本でも雇用における問題点が浮き彫りとなりました。その多くは企業が押し進めてきた派遣スタッフの活用に関係あるものです。
2008年後半に起こった世界的経済危機に伴って、日本企業の業績も軒並み悪化。経費削減の必要に追い込まれた企業が行ったのがいわゆる派遣切り、正社員の雇用を確保する名目で立場の弱い派遣スタッフの契約打ち切り、更新の停止です。人事担当者の中にも昨日まで一緒に働いていた派遣スタッフに契約解除を告げなければならない方もいたのではないでしょうか。日本中が知っているような大企業から契約を解除された人たちがその撤回を求めて派遣先企業と直接交渉を申し入れたり、年末年始に働く場所の無い労働者たちが集まった派遣村などが、連日報道されていました。
いわゆる2009年問題と呼ばれるもので、製造業の企業での派遣契約が一斉に3年を迎え、派遣法の規定に則り正規雇用へのシフトを余儀なくされている問題です。正規雇用にすれば企業のコスト負担は増加します。かといって一斉に契約を解除すれば、労働力不足が発生し、製造現場が機能不全に陥る可能性もあり得るのです。この派遣契約から正規雇用への切り替え義務について、企業の取りうる対処にクーリングオフの期間を設ける、というものがあります。これは3年を越える前にいったん契約を打ち切り3カ月の空白期間を作って再度派遣契約を結ぶ、というやり方です。しかしこれを見越した厚生労働省は、指揮命令が必要ない場合の請負契約への変更や3か月のクーリングオフ期間を設けることなく直接雇用への移行を適切に行うよう通達を出しています。
派遣元企業には当然派遣業の許可登録が必要ですが、中には請負や委託といった形で無許可で人材派遣を行う会社も存在します。契約の際にはその会社が派遣会社として登録されているか、扱っている対象業務は適切か、などの事前の調査が必要です。また、一定の条件を満たした派遣労働者に対して派遣元企業には社会保険の加入の義務がありますが、悪質な派遣会社でこの義務を果たしていないところもあります。社会保険の加入は派遣契約の際の個別契約に記載しなければいけない項目ですので、契約書の確認はしっかりと行いましょう。コスト削減のために極端に安価な派遣料を提示した派遣会社と取引を行うと、偽装請負や不法就労の派遣スタッフの採用など犯罪に巻き込まれるリスクがありますから、事前の調査や確認は絶対に必要です。